「健診のエコーで『大動脈が少し太い』と言われたが、何も症状がないので放っておいている」「血圧が高めと言われ続けているが、特につらいことはないので様子を見ている」。
大動脈瘤は、破裂するまでほとんど自覚症状がない、まさに「沈黙の病気」です。「症状がないから大丈夫」という判断が、最も危険な落とし穴になります。
まつおクリニックは周船寺の駅前にあるため、大動脈瘤の診察を受けに、九大学研都市・今宿エリアを中心に、糸島市(波多江)や姪浜方面からもお通いいただいています。筑肥線沿線の方だけでなく、敷地内に駐車場もあるため、お車でお通いの方もいらっしゃいます。
※WEB予約は初回の方のみとなります。再診の方はお電話でご予約ください。
大動脈瘤とは|血管が「こぶ」状に膨らむ病気

大動脈は心臓から全身に血液を送り出す、体の中で最も太い血管です。通常、大動脈の直径は20〜25mm前後ですが、動脈壁が弱くなることでこぶ状に膨らんだ状態を「大動脈瘤」といいます。
胸部大動脈(胸の辺りの大動脈)が40mm以上に膨らむと胸部大動脈瘤、腹部大動脈(お腹の辺りの大動脈)が30〜40mm以上になると腹部大動脈瘤と診断されます。このこぶは自然に小さくなることはなく、時間をかけて少しずつ大きくなっていきます。
最も恐ろしいのは「破裂」です。大動脈瘤が破裂した場合の死亡率は80〜90%にも上るとされており、たとえ病院に搬送されても緊急手術での死亡リスクは約50%と非常に高いです。破裂してからでは間に合うことが厳しいので、早期の診断と治療がとても大事です。
大動脈瘤の症状
大動脈瘤の最大の特徴は、かなりの大きさになるまで無症状であるという点です。
腹部大動脈瘤の場合、他の病気で腹部の超音波検査やCT検査を受けた際に偶然発見されるケースがほとんどです。やせている方では、お腹の中央を触ったときにドクドクと拍動する感覚を自覚することがまれにありますが、多くの方は何も気づきません。
胸部大動脈瘤が大きくなると、周囲の神経や組織が圧迫されて症状が現れることが稀にあります。声がかすれる(嗄声)、ものが飲み込みにくい、胸や背中の鈍い痛み、息苦しさなどです。ただし、こうした症状が出た段階では、すでにこぶが急速に大きくなっていて破裂が差し迫っている可能性があります
この症状が出たら、すぐに119番
大動脈瘤があると診断された方で、以下の症状が出現した場合は大動脈瘤の破裂または破裂直前のサインです。躊躇せず救急車を呼んでください。
- 突然の激しい腹痛・腰痛・背中の痛み(瞬間的ではなく持続する強い痛み)
- 冷や汗・血圧低下・急激なショック症状
- 突然の意識消失
大動脈瘤破裂は、数分で命を落とす危険性があります。「様子を見る」という判断は、破裂部からの出血が進行し、死に至る可能性があるため、極めて危険です。
破裂リスクは「大きさ」で変わる
大動脈瘤の破裂リスクは、こぶの直径に大きく左右されます。腹部大動脈瘤の場合、直径4cm未満では3年間の破裂率は約1〜2%ですが、直径5.5cm以上になると同じ3年で約80%が破裂すると報告されています。
腹部大動脈瘤では直径40〜45mm、胸部大動脈瘤では50〜55mmが手術を検討する目安です。ただしこぶの形状・拡大速度・性別・合併症なども考慮して総合的に判断されますので、主治医に確認することが大事です。
また、女性は男性に比べ約3倍破裂リスクが高いとされており、高血圧・喫煙・慢性閉塞性肺疾患を合併するとリスクはさらに高まります。「まだ小さいから大丈夫」ではなく、「今の大きさを正確に把握し、定期的に経過を見続けること」が、破裂を防ぐ唯一の方法です。
こんな方は大動脈瘤のリスクが高い
以下に当てはまる方は、自覚症状がなくても一度検査を受けることをお勧めします。
- 55〜70代の男性(特に喫煙歴がある方)
- 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある
- 長年の喫煙歴がある、または現在も喫煙している
- 血縁者に大動脈瘤・大動脈解離の既往がある
- 健診でエコーや画像の「要精査」を指摘されたがまだ受診できていない
周船寺駅前のまつおクリニックでできること
腹部エコー検査による早期発見
まつおクリニックでは、腹部超音波検査(腹部エコー)を実施しています。腹部大動脈瘤の発見において、腹部エコーは最初のスクリーニングとして非常に有効な検査です。放射線の被曝がなく体への負担もほとんどなく、外来で短時間で完結します。「まず確認したい」という方に適した検査です。
ABI検査で全身の血管リスクを把握する
大動脈瘤の患者様は、同時に動脈硬化性の心疾患や脳血管疾患を抱えているケースが少なくありません。まつおクリニックでは、足首と腕の血圧比を測定して動脈硬化の程度を評価するABI検査も行っています。大動脈瘤単独ではなく、全身の血管リスクを横断的に把握することが、循環器疾患の総合管理において重要です。
心エコーとの組み合わせ診断
大動脈瘤は動脈硬化が原因のことが多く、心臓の病気も同時並行で進んでいる場合もあります。まつおクリニックでは、腹部エコー・ABI・心エコーを組み合わせることで、血管全体の状態をより精度高く把握することができます。
まつおクリニックでは、「形を見るだけでなく、動きの異常を見逃さない」という姿勢で心エコーに向き合っています。これは福岡大学心臓血管内科での長年の診療経験が、大動脈瘤の早期発見・管理においても同様に活かされています。
専門病院への紹介体制

腹部エコーで大動脈瘤が疑われた場合、またはサイズが大きく精密検査・手術の適応を判断する必要がある場合は、速やかに専門の血管外科・心臓血管外科へご紹介します。「どこに行けばいいかわからない」という方も、当院から適切な連携先へつなぎます。
大動脈瘤と診断されたら|日常生活で気をつけること
すでに大動脈瘤と診断されて経過観察中の方は、血圧管理が最も重要です。血圧が急激に上がると大動脈が破裂する可能性が出てきます。当院では、血圧の急上昇を避けるため以下の点に注意するように患者様にお伝えしております。
- 毎日血圧を測定し、かかりつけ医に相談する
- 入浴時は脱衣所を温めておく(急激な温度変化による血圧変動を防ぐ)
- 禁煙を徹底する
- 飲酒量を適切にコントロールする
「患者様の生活のパターンを知ることが治療の出発点」という考えのもと、医師が日常生活の細かな部分まで一緒に考えます。血圧の薬をもらうだけで終わらない、生活全体に目を向けた継続管理が、大動脈瘤を破裂させないために大事だと考えています。
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このページの監修医

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